レスキュー 一時保護場所にて

現場から車への積み込みが終了し、保健所の許可をいただくのにずいぶん時間がかかり、一時保護場所への移動が大幅に遅れました。その間にも水分や食べ物を補給しましたが、衰弱している子もいたため、「みんな生きていてね!」と思いつつ、悪臭に耐えての移動となりました。

 

一時保護場所は、アニサポメンバーさんのご親族の建物で、とても広く、部屋がいくつもあり、お風呂場も充実しています(なんとお湯は温泉です!)。今回、緊急で多数の子を保護する必要があったため、この場所がなければここまで短時間に一気にケアすることはできなかったでしょう。一般の家庭などではとても対応できません…本当にありがたかったです。

 

到着した子たちは、まず『受け付け』で個体識別番号をつけ写真を撮りました。これは保健所への報告に必要なものでした。体調に不安のある子は、ボランティアで来ていただいた獣医さんが診察してくださいました。レスキューが明日だったら、もっとたくさんの子がなくなっていた…と先生はおっしゃいました。


その後、トリミングチームに行く子、お風呂に行く子に分かれました。

トリマーさんが駆けつけてくださって、毛玉だらけの子をカットしてくれました…

 

(以下トリマーさんからお聞きした犬たちの様子です。)

●トイプーの毛玉は一ミリの刃が入らないほどからまって、皮膚とくっついている状態でした。

おまけに、骨とスジが歯に引っかかるような感じで、

丸刈りにするだけといってもかなり時間がかかりました。

いったいどれだけほったらかしだったのか…

毛玉が取れたと思ったら、ノミのフンだらけで真っ黒でした。

●マルチーズちゃんをカットしましたが、ぐったりとうずくまり、動きませんでした。小さすぎるガリガリの身体。傷つけないように慎重に毛をはがしていきました。毛玉がひどいところは皮膚が強く引っ張られ、肌から浮き上がっているような状況でした。足の毛玉をはがしたら、立てなくなっていた足が動き出したので、毛が絡みすぎて体の自由も奪われていたのがわかりました。カットしている間、私の身体に顔を埋めてじっと耐えていました。

 

 

お風呂チームはシャンプーに慣れていない体力のない子を何人かで協力しながら洗いました。

お湯をかければ茶色いような水が流れ出し、お湯に入れると得体のしれないものが浮く…

洗っても洗っても汚れやにおいは取れません。体力もないため、無理もできません。

 

(以下、お風呂班のボラメンバーからお聞きした犬たちの様子です。)

① ノミについて

おそらく、どのワンコも初めてのお風呂…

恐怖でビクつくワンコに、ゆっくりお湯をかけると、身体中からノミが出てきて、私や主人の身体に飛んできました。水やシャンプー剤から逃れようとしたノミが、犬の目の中、耳の中へと逃げ込もうとするのを必死に取り除きました。犬の眼球の上をノミが這うのですが、ワンコ達はそれを嫌がりもしない。ノミが身体に住み着いているのが日常なのか、振り落とす体力もないか…

シャンプーの最中、ワンコ達は、ノミの死骸が浮いた水を飲もうとするので、慌てて新鮮な水を用意。

小型犬がお皿三杯分の水をガブ飲みしていました。


②白い汚れのヨーキー

ヨーキーの細い毛一本一本に、こびりつくように白い粒々が付いていました。

獣医さんに診せると、長年シャンプーしてない事で皮脂がこびりつき、そこにフケや埃などのゴミが蓄積されたとの診断でした。シャンプー剤で汚れを溶かし、コームで浮かせながらのシャンプーを繰り返しても、取りきれない汚れでした。

この子も、ずっと水分補給しながらのシャンプー。

後半は気持ちよくなったのか、私の手に頭をあずけてくれました。

今まで、散々な目に遭ってきたのに、こんな短時間で人間を信じてくれる姿に涙が出ました。


 

 

 

その後、水分やご飯を食べるため、ご飯班へシャンプー前にも、低血糖低体温を避けるため、フードをあげてから取り掛かりましたが、どの子も、まだまだ食べたそう。でもあまり急に食べるのはよくないし…でもたくさん食べさせてあげたいし…というジレンマでした。

おトイレをするときには、足腰に力がなくて踏ん張れず、バタンと倒れる子もいました。

すべてのケアが終わった子は、綺麗に洗ったクレートでおやすみ。しかしまだまだ食べたいと鳴く子が多くいました。

 

 

この続きに、一時保護場所での写真をいくつか載せます。

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コメント: 2
  • #1

    くまこ (日曜日, 01 11月 2015 00:49)

    よく生きていてくれましたね。
    写真を見ているだけで涙が出てしまいます。
    こんな状態の繁殖場がほかにもあるのでは?と思うと
    とても悲しくなります。ショックです。
    現場で携わったボランティアの皆様、本当にお疲れ様でした。
    こんな悲惨な状況下で生き残り救い出された幸運の持ち主たちですから
    これからはきっと犬一倍幸せな犬生を送っていくに違いないですね!
    みんな一日も早く元気になりますように。お肉がつきますように。
    わずかながらですが応援させて頂きたいと思っています。

  • #2

    アニサポ (日曜日, 01 11月 2015 23:03)

    くまこ様
    コメントありがとうございます。
    このようにつらい思いをしている子は、他にもいるかもしれませんね・・・。
    この子たちがかわいくなって、幸せになることで、多くの方に保護犬、保護猫について考えていただけたら…と思います。
    ご支援のお申し出ありがとうございます。
    よろしくお願いいたします。